アニール処理とは?

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Question

アニール処理という言葉を耳にしましたが、どういったものですか?

なぜ、そのような処理をするのですか?

Answer

アニール処理とは、樹脂が冷却する過程で生じた内部歪みを加熱することにより取り除く、熱処理のことです。

丸棒や板材を押出成形した直後に、内部歪みを取り除く目的で、アニール処理を行います。

通常アニール処理は、特別な熱風循環オーブンを使用して行われますが、一部の製品では、窒素雰囲気下の熱風循環オーブンを使用したり、オイル・バスを使用する場合があります。

Ensingerは、長年の技術と経験の蓄積に基づき、最適な条件でアニール処理を行っています。ご利用いただいている世界中のお客様からも、「内部歪みの少ない切削加工用樹脂素材」として高い評価をいただいています。

ところで、樹脂は外側から冷却されるため、以下の写真と図で示すように、内部歪みは中心に近づくにつれて大きくなります。

Annealing of Plastics 2
Annealing of Plastics

内部歪みが大きいまま切削加工などを行うと、内部歪みが開放される際に変形を生じたり、割れを生じることがあります。また、寸法精度を得ることが大変難しくなります。

アニール処理を行う目的は、次の3点です。

  1. 結晶化度を高め、物理的安定性、化学的な安定性を向上させます。
  2. 押出成形、あるいは切削加工により生じた内部歪みを開放させます。
  3. 幅広い温度環境における寸法安定性が向上します。

結晶構造をもたない、非晶性樹脂素材であっても、アニール処理は有効です。アニール処理により、内部歪みが開放されて最適な寸法安定性が引き出され、ストレス・クラックの発生リスクを低減できます。

PP、POM、各種ナイロン、PET/PBT、PPS、PEEKなど、結晶性樹脂のアニール処理する際には、それぞれの樹脂のガラス転移点よりも高い温度で加熱をする必要があります。
結晶性樹脂には、結晶化している部分と非晶の状態の部分とがありますが、非晶状態のポリマー鎖が加熱により動くことができるようにして内部歪みを除去し、結晶化を高めるのがアニール処理です。しかし、ガラス転移点以下では、非晶状態のポリマー鎖が動くことはできません。必ず、ガラス転移点よりも高い温度で熱処理を行います。
また、PEEK樹脂のようにガラス転移温度が水の沸点よりも高い場合は、120〜150℃で樹脂中の水分をできるだけ除去してから、実際のアニール条件温度まで温度を上げる必要があります。一気に温度を上げてしまうと、樹脂中の水分が急激に膨張して不具合を生じることがあります。

アニール処理における最大の注意ポイントは、できるだけゆっくりと一定の速度で温度を上げ、一定の速度でゆっくりと温度を下げることです。とりわけ、アニール処理をする製品の肉厚に十分留意してください。樹脂表面と中心部との間に、温度勾配を作らないようにするのが理想です。
急加熱、急冷却では、かえって樹脂内部の歪みを高めたり、クラックなどの発生原因となります。熱による膨張が樹脂全体で均一になされるように、アニール炉内の環境にも十分留意して、アニール処理をするようにしてください。

なお、それぞれの樹脂別のアニール条件は、プラスチックスの加工条件を網羅した技術資料「機械加工ガイドライン」でご説明しています。

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